同性婚「京都の寺で挙式いかが」海外向けプラン人気

京都のホテルと古刹(こさつ)が手を組み、同性のカップルが挙式するプランが海外で注目を集めている。ホテルグランヴィア京都(京都市下京区)と臨済宗の「春光院」(同市右京区)が今春、観光も兼ねたプランを海外向けに売り出した。同性愛に寛容な欧米で反響を呼び、問い合わせが相次いでいる。

 プランは3泊4日で、1590年創建の春光院の本堂で式を挙げる。白無垢(むく)か紋付きはかまが選べる和装の貸衣装や和懐石、送迎などが付いて料金は77万7000円だ。新郎新婦の宣言では、2人らが「パートナー」「ハズバンド(夫)」「ワイフ(妻)」などの言葉を使って愛を誓う。海外向けのプランだが、国内でも受け付ける。

 春光院では、プランのスタート前に既に海外の同性カップル5組が挙式している。最初は4年前。春光院で座禅を体験したことのあるスペイン人の女性カップルから寺で挙式したいと依頼され、受け入れた。米国に7年間の留学経験がある副住職の川上全龍さん(35)に、同性愛者は身近な存在だった。川上さんは「日本の仏教には同性愛を禁じる教えはないし、周囲のサポートが大事だ」と考え、短文投稿サイト「ツイッター」やブログで式の様子などを発信してきた。

 一方、ホテルグランヴィア京都は2006年、レズビアンやゲイなど性的少数者「LGBT」の人たちに利用してもらおうと、「国際ゲイ・レズビアン旅行業協会」に国内のホテルで初めて加盟し、社員研修も続けてきた。LGBTの受け入れをアピールしようと、この結婚式プランを発案し、昨年秋に春光院に話を持ちかけて実現した。

 ドイツで今年3月に開かれた旅行博覧会にホテルグランヴィア京都がブースを出店した際、現地のテレビ局や新聞社から取材が殺到し、「日本では同性愛が認められるようになったのか」などと質問攻めに遭った。プランは京都などの観光旅行に含まれており、海外の旅行会社などから計33件の問い合わせが寄せられた。

 日本では同性同士の結婚は認められていない。川上さんは「同性愛者でも皆、普通の結婚や生活をしたいはずだ。今は支援者も少ないかもしれないが、今後は動きは変わっていくのではないか」と期待する。【椋田佳代】

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